かしあわせについて｜巌邑堂かしあわせ

日本の四季

　立春、啓蟄、清明、寒露……。日本語には、春夏秋冬以外にも季節を表す言葉が72個あり、移り変わる季節を日本人は繊細に感じ愉しんでいたことが分かります。かしあわせは和菓子づくりを通じ、四季と日本の心を触れていただきたいとつくりました。

日本のあそび

　和菓子はお茶の文化ともに歩んでまいりました。茶会は優雅な遊び。掛け軸、花、器で表現する亭主の趣を、客人がいかに受け取るのか、感性と知性の競い磨き合いです。亭主のテーマとなるのは、季節。そのため和菓子職人も、亭主が表現したい季節を形にします。ただやはりそこにも、亭主を唸らせる感性と美しさが必要になります。

　このようにかしあわせも、ただ和菓子をつくるだけでなく、基本的な技法を学んだ上で、自分自身の中にある四季折々の心を探り、それを表現する遊びです。共に同じ場所でつくる人たちや、ネットを通じて世界中の人たちと、感性と知性を磨き合い、一期一会を愉しんでください。そうしてできた菓子と菓子を合わせて、心と心が通い合う幸せを感じていただきたいのです。

巌邑堂の歴史

GANYUUDOU HISTORY

　巌邑堂は、明治4年の廃藩置県を機に士分を捨てた旧巌邑（岐阜県岩村町）藩士が、ここ浜松の地に移り創業いたしました。巌邑堂の屋号にはこの藩の名に由来するものです。
　二代目には跡継ぎが生まれず、養子として店を継いだ三代目主人が確立した味を、現在五代目に至るまで大切に継承しています。　三代目が特に力を注いだのは、朝作りその日に食べる「朝生菓子」。毎日ひとつ一つ心を込めて手作りした出来たてのお菓子を食べていただきたいという想いは、伝統の製法・伝統の味と共に、今も変わらず受け継がれています。